演題発表に関する利益相反の開示について
産学連携による臨床研究では、学術的成果の社会への還元(公的利益)だけでなく、産学連携に伴い取得する金銭・地位・利権など(私的利益)が発生する場合があり、この二つの利益が研究者個人の中に生じる状態を利益相反と呼びます。
日本胆道学会では2015年1月1日から「医学研究の利益相反に関する指針および細則」が完全実施され、医学研究の学会発表での公明性を確保するため、2015年度学術集会より発表者の利益相反状態の開示を行っていただくこととなりました。
発表演題が医学研究である場合、筆頭発表者・講演者は、会員・非会員の別を問わず、配偶者または一親等内の親族または収入・財産を共有する者も含めて、発表内容に関連する企業や営利を目的とする団体に関わる過去1年間における利益相反の有無を発表・講演スライドの最初または演題・発表者・講演者などを紹介するスライドの次に所定の様式1A(ダウンロード)または様式1B(ダウンロード)により開示しなければならない(共同演者のものは開示不要)。
利益相反状態の有無と開示の基準は下記の表に示しますが、詳細は「医学研究の利益相反に関する指針および細則」をご参照ください。
種類 | 内容の説明 | 開示の基準 | |
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1 | 役員・顧問職 | 1つの企業・組織や団体の役員、顧問職、社員報酬額の年間報酬額 | 100万円以上/年間 |
2 | 株 | 1つの企業についての年間の株式による利益(配当、売却益の総和)または当該全株式の保有率 | 100万円以上または5%以上/年間 |
3 | 特許権使用料 | 企業・組織や団体からの1つの特許使用料の年間総額 | 100万円以上/年間 |
4 | 講演料 | 1つの企業・団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当、講演料の年間総額 | 50万円以上/年間 |
5 | 原稿料 | 1つの企業・団体から、パンフレットなどの執筆に対して支払われた原稿料の年間総額 | 50万円以上/年間 |
6 | 治験費、臨床試験費、研究費(産学共同研究費、受託研究費など) | 企業・組織や団体が提供する治験(臨床試験)費や研究費(産学共同研究費、受託研究費など)については、同一組織から申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に支払われた年間総額 | 100万円以上/年間 |
7 | 寄付講座 | 企業・組織や団体が提供する寄付金にもとづく寄付講座に所属している場合 | 全て |
8 | その他報酬 | 研究、教育、診療とは無関係な旅行、贈答品などについて、1つの企業・団体から受けた報酬の年間総額 | 5万円以上/年間 |
9 | 奨学寄附金 | 同一組織から申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に支払われた年間総額 | 100万円以上/年間 |
10 | 機関の長を経由した奨学寄附金 | 奨学寄附金の受け入れが機関の長(学長か病院長)を経由した形で発表者個人または発表者が所属する部局(講座、分野)あるいは研究室へ配分されている年間総額 | 100万円以上/年間 |
11 | 寄附金などが非営利法人や公益法人を介しての資金援助であった場合 | 1つの企業・団体から寄付金などが、NPOなどの非営利法人や、財団などの公益法人を介しての資金援助(受託研究費、研究助成費)の場合の年間総額 | 100万円以上/年間 |